はじめに
こんにちは. 先進ネットワーク研究室B4の伊吹宏三郎です.
2023年3月7日~10日に埼玉県さいたま市の芝浦工業大学で開催された電子情報通信学会総合大会にて,「災害時の複数種UAVと携帯端末を用いた避難誘導システム」というタイトルで発表しましたので,その報告をさせていただきます
研究概要
災害発生時は迅速な被害状況の確認や行方不明者の捜索が必要です.地上からの被災現場へのアクセスが困難な場合は無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)の利用が効果的です.しかし,災害時のUAVの運用にはいくつかの課題があります.バッテリー式のUAVの飛行可能時間が30分程度であるため,長時間かつ広範囲での運用には適しません.また,UAVが災害情報を地上に設置されたセンサ機器(カメラ,温度計など)から収集する場合,それらの機器が損傷すると適切な災害支援を実施できなくなります.
そこで本研究では,複数種のUAVと携帯端末を用いた避難誘導システムを提案しています.
提案方式では,小型UAVを搭載した大型UAVで被災者の捜索を行うことで長時間かつ広範囲での避難支援を実現しています.また,大型UAVが撮影した地表の画像のみから災害状況を把握し,避難経路を作成するため,地上のセンサ機器の損傷にも対応可能です.避難者発見時に避難者の持つ携帯端末の通信状況に応じて避難経路の送信もしくは小型UAVによる避難誘導を行うことで避難完了時間の短縮が期待できます.
提案方式の有効性を確認するため3つのUAVの動作方式について計算機シミュレーションによる評価を行います.災害時に地上のセンサー機器が損傷している場合において避難者の捜索と並行して,地上の道路の損傷状況を撮影した画像から判断し,避避難者を発見するたびに避難者の誘導を実施する方式を方式X(提案方式),地上のセンサー機器の損傷が無く,地上の道路の損傷状況が避難者の捜索開始前に把握可能であり,避避難者を発見するたびに避難者の誘導を実施する方式Yと,地上のセンサー機器が損傷している場合において,被災地域のすべての領域を漏れなく探索し,避難者の位置と通行不可箇所を特定した後,順に避難誘導を実施する方式Z,これら3つの動作方式の性能を比較します.
評価の結果,提案方式は地上の障害箇所が事前に把握済みである場合(方式Y)と同等の避難時間を達成しており地上のセンサー機器から事前に情報収集できない場合でも運用可能であること,被災地のすべての領域を探索したのちに避難誘導を実施する場合(方式Z)よりも避難者発見のたび誘導を実施する方が全体的な避難完了時間は短くなることが確認できました.今後は避難所の数や位置を考慮した提案方式の性能評価を行う予定です.詳細については,スライドをご参照ください.
ibuki_23030302_NS感想
学会発表
研究会よりも参加人数が多く様々な分野の発表を見ることができました.発表時間が短く,上手く伝えられていない部分もあったので普段のゼミから 簡潔にまとめる意識をしていきたいです.
観光
発表当日は大学の食堂でそばを食べました.関東風の味付けは初めてでしたが美味しかったです.空き時間で趣味のプラモデル関連のお店を巡ってきました.滋賀と違い品揃えが豊富で目当ての商品を買うことができました. いろいろな作例見ることができ楽しかったです.