ネットワークキャッシュ


Webページの高機能化、ビデオの高精細化に伴い、インターネット上で転送されるデジタルコンテンツの容量が増大しています。そのためネットワークが混雑し、Webページが表示されるまでの待ち時間が増加したり、動画再生が途中で停止するなどの通信品質の低下が突発的に発生する問題が生じています。

そこで以下のテーマなどを中心に、Webや動画サービスといったネットワークサービスを快適に使い続けるためのキャッシュ配信技術の研究に取り組んでいます。

Anycast CDNの配信サーバ選択法

Anycast CDN では、複数の目的アドレスの中からIPルータが配信先を選択するインターネットのAnycast配信機能を用いて、コンテンツ配信に用いるキャッシュサーバを選択します。しかし同一の IP アドレスに割り当てられるキャッシュサーバの数の増加に伴い、配信サーバの選択の適正度が低下します。

そこで本研究室では、コンテンツの人気の空間的局所性を考慮して、多様なキャッシュサーバセットを遺伝的アルゴリズムを用いて最適に構成する技術の研究に取り組んでいます。

ネットワーク内コンピューティングの資源割当

ネットワーク内のルータで各種演算を行うネットワーク内コンピューティングが、レスポンス時間を低減する技術として広く研究されています。特に演算内容が、複数のプロセスの組と、それらの前後関係から規定される場合には、各プロセスを実行するルータを適切に割り当てる必要があります。

そこで本研究室では、情報指向ネットワークを用いて各プロセスの実行場所を自律的に決定する研究に取り組んでいます。

キャッシュ状態を考慮したコンテンツ推薦技術

Netflix などのコンテンツ配信サービスにおいて、ユーザの嗜好に沿ったコンテンツ推薦がコンテンツ要求の大部分を占める重要な存在となっています。しかし多くのコンテンツはCDNを用いて配信されますが、従来の推薦方式はCDNのキャッシュ状態を考慮しないで推薦コンテンツを選択するため、推薦によってキャッシュの性能が低下する問題があります。

そこで本研究室では、ユーザの嗜好と、キャッシュ状態の両方を考慮した,コンテンツ推薦方式の研究に取り組んでいます。低信頼エッジキャッシュを用いた高信頼キャッシュ制御法

低信頼なキャッシュを用いた高信頼キャッシュ配信法

Mobile edge cache(MEC)は、5G/6Gの 無線ネットワークの基地局にキャッシュサーバ (ES: edge server) を設置し、高人気コンテンツをキャッシュをすることで、急増するモバイルトラヒック量を軽減します。しかし基地局の設置数は膨大なため低コストだが低信頼な ES が用いられており、障害による不稼働率の増加が課題となっています。

そこで本研究室では、erasure coding を用いてキャッシュコンテンツの可用性を高める場合の、コンテンツ取得可能性を最適化するES へのコンテンツ挿入法の研究に取り組んでいます。