キャッシュ配信


Webページの高機能化、ビデオの高精細化に伴い、インターネット上で転送されるデジタルコンテンツの容量が増大しています。そのためネットワークが混雑し、Webページが表示されるまでの待ち時間が増加したり、動画再生が途中で停止するなどの通信品質の低下が突発的に発生する問題が生じています。

そこで以下のテーマなど、Webや動画サービスといったネットワークサービスを快適に使い続けるためのキャッシュ配信技術の研究に取り組んでいます。


Webオブジェクトの相関性に基づくキャッシュ制御

近年のWebページは多数のデータオブジェクトから構成され多数の配信サーバからオブジェクトを取得しますが、Webページのリッチ化・複雑化がWeb応答時間の増大要因となっています。

Web応答時間を低減するためHTTP/2が2015年に、HTTP/3が2020年にIETFで仕様として承認されました。HTTP/2やHTTP/3は複数のオブジェクトを単一のTCPセッション上で並列に取得することで遅延時間を短縮しますが、並列配信は同一の配信サーバから取得するオブジェクト集合に対してのみ可能です。そのため多数の配信サーバから少数のオブジェクトを分散して取得する場合には、HTTP/2やHTTP/3の並列配信の効果は限定的となります。

そこで本研究室では、オブジェクト間の相関性に基づき、HTTP/2やHTTP/3の効果が高いオブジェクトを優先してキャッシュに残すキャッシュ制御技術の研究に取り組んでいます。


深層学習を用いたモバイル端末のデータキャッシュ技術

スマホなどのモバイル端末で動画を視聴する機会が増えていますが、動画データはサイズが大きいことから、モバイルネットワークの通信資源が不足することが予想されます。そこでモバイル端末をキャッシュとして活用し、モバイル端末間でコンテンツを配信することが有効です。しかしモバイル端末のメモリサイズは小さいことから、どのコンテンツをモバイル端末内に保存するかをコンテンツの将来の需要に基づき適切に選択する必要があります。

そこで本研究室では、深層学習を用いてモバイル端末の将来の移動先において高人気なコンテンツを予測し、モバイル端末内で保存するコンテンツを選択するキャッシュ技術の研究に取り組んでいます。


Mobile Crowd Photographingの類似性を考慮したキャッシュ制御

スマホで撮影した写真をネットワーク上で共有し、画像データベースとして活用するMobile Crowd Photographingの利用が広がっています。画像データはサイズが大きいことから、ネットワーク上のキャッシュに保存して配信することが有効です。しかし似たような画像データを重複してキャッシュに保存するとキャッシュの効果が低減します。

そこで本研究室では、キャッシュ済み画像データとの類似性が低い画像データを優先的にキャッシュに残すキャッシュ技術の研究に取り組んでいます。