2023年9月ソサエティ大会で「攻撃者が存在する場合の多地域 Crowdsensing のワーカ最適サンプリング法の性能評価」というタイトルで名古屋大学 東山キャンパスで発表してきました(松浦千紘)

はじめに

こんにちは 。 先進ネットワーク研究室M1の松浦です。

2023年9月12日~15日に名古屋大学 東山キャンパスで開催されたソサエティ大会で発表したので、参加報告を書きたいと思います。

研究概要

IoTデバイスの代わりに携帯端末のセンサを用いてデータを収集するモバイルクラウドセンシング ( MCS : mobile crowdsensing ) が注目されています。一方で、悪意のある人物がサービス妨害を目的に意図的に真の値から外れた値を送信するといった攻撃が問題点として指摘されています。この他にもセンサの不具合などで正しい値が測定できないこともあり、収集した値の多くは誤差が発生しているものと予想されます。

このような問題に対して複数地域を対象とした防御法について研究が行われていましたが、攻撃者が含まれている場合の評価は未検討でした。また想定している攻撃値が正常データの値の幅を越えないことから判別が難しいという特徴があり、判別が行えない状態での防御法を検討する必要があります。

本研究では上記のような課題に着目し、「攻撃者が存在する複数エリアのMCSにおいて、全エリアの誤差を最小化するような各エリアの最適サンプル数設定法」を提案しました。正常な値を送信するユーザが多く、ユーザの測定値のばらつきが小さいほど収集データから計算される値と真の値との誤差が小さいという特徴を用いてサンプルユーザ数を更新し、収束した時点での各エリアのサンプルユーザ数を採用します。実験では、以下のように2つの状態を設定します。S0をサンプル数調整前、S1をサンプル数調整後とし、それぞれの時刻でサービス事業者は推定値の計算を行います。

正常ユーザと攻撃者が存在している複数地域に提案方式を適用し、サンプルユーザ数を変化させた場合の誤差の総和の変化量をグラフにプロットしました。

評価の結果、提案方式を適用することによって攻撃者が存在する場合においても誤差の抑制が可能であることを示すことができました。

今後は攻撃アルゴリズムの無効化とデータ保護を目指して研究を進めたいと思います。

詳細については、以下のスライドをご参照ください。

matsuura_2309_ソ大会

感想

前日まで遠方にて予定があり、滞在時間はあっという間でした。久しぶりの発表で練習はあまり行えませんでしたが、国内で何度か発表していることもあり過度に緊張せず、無事に終えることができました。

名古屋の観光地を巡ることはできませんでしたが、発表当日の朝に名古屋らしいモーニングを食べました。間に味噌を挟んだクロックムッシュでしたが、美味しかったのでお家でも作りたいです。

以上で参加報告を終わります。お読みいただきありがとうございました!