2024年9月電子情報通信学会ソサイエティ大会で「遺伝的アルゴリズムを用いたNDNのコンテンツ配置」というタイトルで日本工業大学で発表してきました(橋本紘輝)

はじめに

こんにちは。先進ネットワーク研究室M2の橋本です。2024年9月10日(火)~13日(金)に埼玉県南埼玉郡の日本工業大学で開催された2024年電子情報通信学会ソサイエティ大会に参加しましたのでその報告をします。

研究概要

私の研究ではNDNの課題であるFIBサイズ低減を目的にコンテンツの再配置を行います。今回発表した内容はICN研究会ワークショップでまとめておりますのでこちらをご覧ください。

今回は用いたGA (Genetic Algorithm)について書こうと思います。GA はダーウィンの進化論に着想を得て作られた近似解法です。事前に定めた終了条件が満たされるまで、生成した母集団を反復的に洗練させることで近似的な解を求めることが可能となります。

今回の研究ではネットワーク内のどのノードにどのコンテンツを配置するかを求めたい解(遺伝子)として設定し、GAを利用しました。配置するコンテンツは約12000個のWebオブジェクトを用いているのですが、同じPrefixドメインをもつコンテンツはまとめて配置することで目的とするFIB集約の効果が大きくなるため、同一のTLDやSLDでグループとしたコンテンツを配置しております。今回使用したアルゴリズムはスライドや発表論文をご覧ください。

以下が今回の発表スライドとなっております。

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感想

発表では普段と違うソサイエティに参加させていただきました。そのため、別の視点からの指摘やご意見をいただくことができ、発表時のスライド作成への反省や今後の研究の視点について学びになりました。引き続き研究に励もうと思います。

観光についてでは今回初めて参加させていたいた、学会主催のツアーに絞って書こうと思います。今回のツアーは12・13日の2回開催され、埼玉県春日部市にある首都圏外郭放水路を見学するといった内容でした。私は13日開催の方に参加させていただきました。

まず首都圏外郭放水路がどういったものか説明させていただきます。首都圏外郭放水路とは、埼玉県の中川・綾瀬川流域等中小河川の洪水被害を軽減することを目的に建てられた世界最大級の地下放水路です(配布パンフレットより)。簡単にいうと、氾濫の恐れがある川から水を取り込み、地下に貯蓄したり別の大きな川に排水することで、減水させる施設のことです。

今回はその中でも水勢を弱めスムーズな排水を促す調圧水槽を見学しました。調圧水槽は長さ177m、高さ 18m、幅78mからなる施設でまるで巨大神殿のようでした。大きく強固に作られた柱はとても存在感があり、カッコよかったです。地面には水たまり、柱には泥がついており、巨大な空間を埋めるほど土砂や雨水が実際に貯められていることが実感できました。その一方で、もしこの地下に閉じ込めれられたらと思うと怖くもなりました。気温は地下にあるため20℃程度でとても心地良かったです。