2024年5月AnNetで「Optimum Worker Sampling in Crowdsensing with Multiple Areas」というタイトルで韓国で発表してきました（松浦千紘）

はじめに

こんにちは。先進ネットワーク研究室M2の松浦です。

2024年5月6日~10日に The K-Hotel Seoul (ソウル，韓国) で開催されたワークショップ (AnNet 2024) で発表したので、参加報告を書きたいと思います。

研究概要

IoTデバイスの代わりに携帯端末のセンサを用いてデータを収集するモバイルクラウドセンシング ( MCS : mobile crowdsensing ) が注目されています。一方で、悪意のある人物がサービス妨害を目的に意図的に真の値から外れた値を送信するといった攻撃が問題点として指摘されています。

このような問題に対して、複数地域を対象とした防御法について研究が行われていましたが、攻撃者が含まれている場合の評価は未検討でした。上記のような攻撃はデータポイズニング攻撃と呼ばれますが、この攻撃は異常値を送信しないため、悪意のあるワーカーを特定するのが難しいという特徴があります。

つまり、攻撃者を特定できない場合の防御策を検討すべきであると言えます。本研究では、攻撃ワーカが存在する複数地域からデータを取得する場合に、総推定誤差を最小化するようなサンプリング法の提案を行います。

シミュレータ条件として、データの収集領域は K 個のエリアで構成されている状況を考えます。各エリアにおいてセンシングデータをモバイル端末のユーザから収集し、エリア毎に測定値を収集します。このとき、攻撃者は母集団に一定数含まれています。サービス事業者が収集できる総サンプルワーカを N としたときの、各エリアのサンプルワーカ数を決定する問題を考えます。

推定値の計算はCRH法と呼ばれるアルゴリズムを利用します。複数の情報源から真の値を推測することが目的のアルゴリズムです。攻撃者の測定値にはDPAアルゴリズムと呼ばれるアルゴリズムを使用します。

正常ユーザと攻撃者が存在している複数地域に提案方式を適用し、サンプルユーザ数を変化させた場合の誤差の総和の変化量をグラフにプロットしました。以下の図は各エリアの提案方式適用前後の誤差を表しています(適用前：t0, 適用後：t1)。各エリアの正常ワーカの測定値の標準偏差はエリア 1 から昇順に大きくなるように設定しています。全てのエリアの総誤差は減少傾向にありますが、エリアラベルの小さいところは誤差が増加しています。これは、標準偏差の大きいエリアに多くのサンプルワーカが配置されるという特徴により、提案方式適用前より人数が減少したことが原因です。これらの結果から、攻撃ワーカが混在している場合においても本提案方式は有効であることを示しました。

詳細については、以下のスライドをご参照ください。

matsuura_2405_AnNet

感想

母国語以外での発表ということもあり、前日から緊張感がありました。語学力があれば他国の方とよりコミュニケーションを取ることができ楽しめたと思うので、今後も学習を継続していきたいです。また、国外学会では日本からの参加者が少ないためか、国内学会よりも積極的に他大の方と話していたように思います。同年代・同じ専攻の方と知り合える良い機会だと思うので、今後参加される方は勇気を出して話しかけてみると、これからも連絡を取り合えるようなお友達ができるかもしれないです＾＾

韓国では、明洞と呼ばれる繁華街地域に宿泊していました。夜も人がいるので安心だと思って選びましたが、ショップや屋台なども多く他の地域へのアクセスが良いのでおすすめします。

韓国で有名なドラッグストア「OLIVEYOUNG」にて、学会で話した人にオススメされたホワイトニングを購入したり、その他狙っていた商品を購入しました。美容に興味のある方限定の楽しみ方ですが、、、笑。開催地が韓国なのはとても嬉しいです。

また、近年レトロな町並みを活かしたリノベーション開発が進んでいる地域、ソンス（聖水）に行ってきました。ここには化粧品を好きなだけ試すことのできる「アモーレ聖水」というスポットがあります。日本での資生堂にあたるアモーレパシフィックという会社の製品を試し放題、購入も可能であり、自身の肌に合うファンデーションを作ることもできます。