大学院

大学院進学のメリット

大学院進学には以下のような様々なメリットがありますので、先進ネットワーク研究室では4年生に大学院への進学を勧めています

  • 卒業研究で研究に1サイクル取り組むことで、論理的な思考能力や自分の頭で考える力などがある程度は向上します。しかし大学院に進学して研究に取り組むことで、これらの能力はどんどん向上していきます。学部3年生秋学期からの1年半と大学院の2年とで合計で3年半、研究に取り組むことで、問題の所在を把握する能力、問題を抽象化してモデル化する能力、論理的な思考能力、資料にまとめる能力、他者に説明する能力など、多くの職種で必要とされる重要な能力を効率的・効果的に習得することができます。
  • 研究や学会発表の経験を十分に積むには1年半では短く、大学院に進学してさらに2年間は研究に取り組む必要があります。知名度の高い超一流・一流企業の多くは、技術系の新入社員に対し、研究に取り組んだ経験や学会発表の経験を高く評価しますので、大学院卒業者を技術系の社員として主に採用します。大学院に進学し、研究活動に取り組む過程で多様な能力が培われるので、より良い企業に就職できる可能性が広がります。
  • 大企業の研究所や国立の研究所、大学教員など、研究者の道に進みたい場合は、大学院博士前期課程を卒業して修士号を取得することは、ほぼ必須条件です。
  • 研究者にならない場合は、人生において研究に取り組める時期は学部の卒業研究と大学院生のときだけです。この間、技術系の仕事に必要な能力の習得に加え、国内外の学会発表を体験することができます。特に大学院生は技術会議の檜舞台である、世界中の研究者が集まり研究成果を発表する国際会議で発表できるチャンスが十分にあります。

研究活動のモチベーションを高く維持するには、研究に対する意欲の高い仲間が多くいる環境で研究に取り組むのが理想です。本研究室は研究や学会発表に対する意欲の高い学生が多く在籍していますので、一緒に切磋琢磨できる仲間に恵まれた環境で研究活動が行えます。教員は大学院進学を可能な限りサポートしますので、不明な点や不安な点がある場合は、いつでも遠慮なく相談してください。以下に、考えられる主な不安点と、実際はどうかについてまとめます。


よくある質問

経済面

Q1: 就職するのが2年間遅れるので、収入が減り損をしそう

A1: 大学院を卒業して就職すると、より条件のよい企業・職種に就ける可能性が上がります。内閣府経済社会総合研究所の調査(柿澤,他,"大学院卒の賃金プレミアム",ESRI Discussion Paper Series No. 310 (第11ページ目))によると、就職が2年遅れるにもかかわらず大学院卒の人の生涯賃金収入の平均は、学部卒の人の生涯賃金収入の平均よりも,男性は4,846万円,女性は4,334万円も多くなります

Q2: さらに2年間、大学院の授業料を払うのは経済的に厳しい

A2: 立命館の卒業生が立命館の大学院に進学する場合、入学金は免除されます。また大学院の各学年において、約半数(成績の上位45%)の学生は、年間で45万円(25%の学生)もしくは10万円(20%の学生)の奨学金が大学から給付されます(返済不要)。また日本学生支援機構の第一種奨学金(8.8万円/月)を希望すれば受給可能です。本奨学金は無利子ですが卒業後に返済する必要がありますが、優秀者に対する返済免除の制度があり、学会発表を数多く行うなど学業活動が優秀な学生は返済免除者に選ばれます。さらに学部生の授業補助(ティーチングアシスタント(TA))の制度があり、TAは1授業時間あたりのアルバイト料が3,000円と高く、学業とも両立しやすいため多くの大学院生が従事しています。これら様々な支援制度を活用することで授業料の負担を軽減することが可能です。

Q3: 貸与型の奨学金をもらって進学すると、卒業後にちゃんと返せるか心配である

A3: 貸与型の奨学金としては日本学生支援機構が一般的ですが、就職後の月の返済額は1万円程度です。また無利子ですので利息が増える心配はなく、さらに返還猶予や返還額の減額の制度もありますので、大学院卒業後に就職すれば返済で生活が困窮する可能性は低いと言えます。さらに上に書いたように、優秀者には返済が免除される制度もあります。

就職面

Q4: 大学院に進学すると2歳、年齢が増えるので就職で不利になりそう

A4: 大学院に進学して2年間、真摯に研究に取り組めば、学部卒で就職して2年間を過ごすことに比べて、問題を発見する能力、自分の頭で論理的に思考する能力、問題を分析する能力など、多くの技術職に必要な基礎力が大きく向上します。そのため優良企業・大企業ほど、むしろ大学院を卒業した学生を技術職に優先的に採用しますので、大学院に進学すると技術職の就職で有利になります。

Q5: 進学と就職で迷っているが、大学院の入試勉強と就職活動との両立が難しそう

A5: 3年生終了時点のGPAが3.0以上であれば、学内進学入試を受験でき面接のみで進学が可能です。また一般入試を受ける場合も、過去2年の入試問題が公開されていますので、過去の入試問題をベースに勉強すれば効率的に筆記試験の勉強が可能ですので、就職活動との両立も可能です。

心理面

Q6: 大学院に進学することは特殊なことに感じる

A6: 立命館の理系学部では半数近くの学生が大学院に進学しています。将来、研究職に就職を希望する人だけでなく、開発職やSEといった技術職を希望する人にとっても、能力を高め優良企業に好条件で就職するために大学院に進学することは有効です。今後、科学技術が細分化・高度化するにつれて、理系の学生にとって技術職に普遍的に必要となる能力を向上させるために、大学院進学はますます普通のことになっていくと思います。