2026年3月電子通信学会NS研究会で「IPFSのSybil攻撃のオンデマンド検知」というタイトルで沖縄県市町村自治会館で発表してきました(姫野貴一)

はじめに

2026年3月4日に沖縄県那覇市の沖縄県市町村自治会館で開催された電子情報通信学会NS研究会にて「IPFSのSybil攻撃のオンデマンド検知」というタイトルで発表させていただきましたのでその報告をさせていただきましたのでその報告をさせていただきます。

研究概要

現在の Web は、情報の所在を基準としてアクセスするロケーション指向型の仕組みに基づいて成り立っている。この構造では、情報を保持するサーバの管理者に権限が集中しやすく、その判断次第で情報の削除や改変、さらには公開停止まで行えてしまう。その結果、インターネット上の情報流通が一部の大規模事業者に左右されやすいという問題が生じている。こうした中央集権的な構造への対抗策として注目されているのが IPFSである。IPFS は P2P 型のネットワークを基盤とし、参加する各ノードが自律的にデータを保存、共有する分散型の仕組みを採用している。このため、特定の管理主体に依存せずに情報を扱うことができ、改ざんや検閲に強く、障害発生時にも高い耐性を持つ。一方で、現状の IPFS には Sybil 攻撃への弱さが残されている。Sybil 攻撃は、攻撃者が多数の偽ノードを作成してネットワーク内部に入り込み、通信や探索を妨害する攻撃である。これにより、正当なノードへのルーティングが阻害され、結果としてコンテンツ取得が妨げられる実質的な検閲が成立し得る。そこで本研究では、IPFS 上で発生する Sybil 攻撃を、コンテンツ要求を契機としてオンデマンドに検知する方式の実現を目指す。提案手法では、利用者の取得要求が生じたタイミングで周辺ピアの観測を行い、応答ノードの Peer ID 分布を XOR 距離空間上で分析する。平常時には CID 近傍の PID は比較的均一に分布するのに対し、攻撃時には偏在やエントロピーの低下が見られる。この分布の違いを用いて、基準状態からのずれを定量化し、異常の有無を判定する。さらに、オンデマンド方式ではコンテンツの人気度によって検知頻度や検知コストが変わるため、その影響も含めて評価し、効率性と有効性を両立する Sybil 攻撃検知法を提案する。

詳細につきましては、下記スライドをご参照ください

NS研202603_姫野貴一_26002203242-1

感想

発表を通じて、自身の研究内容を客観的に見直す貴重な機会となりました。質疑応答では新たな視点や改善点を得ることができ、今後の研究をさらに深める意欲が高まりました。