2025年3月NS研究会で「量子ネットワークにおけるMABを用いた経路選択手法」というタイトルで沖縄産業支援センターで発表してきました(Kim Minkyu)

初めに

先進ネットワーク研究室B4のKim Minkyuです.2025年3月6日(木)~7日(金)に沖縄産業支援センターで開催されたNS研究会で研究成果を発表してきましたのでその報告をします.

研究概要

近年,量子コンピュータの性能が使用可能な量子ビット数に大きく依存することから,分散量子コンピューティングが不可欠となっています.しかし,量子状態の品質を示すfidelity(忠実度)は通信距離に応じて低下し,特に長距離通信では深刻な課題となります.

従来の古典コンピューティングにおけるルーティングでは,このような量子リソースや品質に関する考慮は必要ありませんでした.しかし,現在の量子ネットワークでは,量子状態の動的な環境変化,量子要素の確率的な変動,そして従来のネットワークと同様の負荷変動といった複数の動的問題を同時に解決する必要があります.既存の量子ネットワークでは,経路選択時にfidelityの動的な変化を考慮せず固定経路を使用しており,End-to-End fidelityを保証できない問題が存在します.

本日の発表では,上記のような2つの動的要素を考慮し,経路選択においてMAB(Multi-Armed Bandit)アルゴリズムを活用したルーティング最適化を目指しています.

詳細な内容については以下のスライドをご参照ください.

Kim-Minkyu_202503_NS研究会

感想

今回が初めての学会発表であり,非常に緊張していました.しかし,発表を始めてからは少し落ち着いて進めることができたように思います.ただし,発表時間を意識するあまり,やや早口になってしまった部分もあり,完璧な発表だったとは言い難い面もありました.

質疑応答においても,質問者の方に対してできるだけ詳しく丁寧に説明しようと努めましたが,十分に伝わらなかった部分もあったように感じられ,少し心残りな点がありました.今後の発表に向けて,より効果的なコミュニケーション方法を学んでいきたいと思います.